100日後に死ぬワニは二度死んだ 今回の炎上について

100日後に死ぬワニとは漫画家のきくちゆうきさんがツイッター上で連載していた4コマ漫画です。さっくりと概要をまとめると主人公のワニ君のなんて事のない日常を描いているのですが、

タイトルがこれまた独創的で、にワニ君の余命がナンバリングされているのです。毎日のように更新がされるたび、ワニ君の余命が少なくなっていく。

そういう特殊な効果によってこの漫画は非常に注目されていました。

 
100日後に死ぬわにの画像
画像提供:きくちゆうきTwitter @yuukikikuchi

そんな100日後に死ぬワニですが、先日ついに連載が終了しました。
しかし、この漫画の最期の最後に炎上という結果を迎えてしまいました。

漫画自体は実に素晴らしい終わりを迎えました。
ワニ君は死に、余韻の残るエンディングだったのは言うまでもありません。


しかし、そこから一切の時間を置かずに発表されたのがこちらの動画でした。

 

 

曲は有名ないきものががかり。
そして、制作クレジットには広告代理店のクリエイティブディレクターの名前。
そこからは怒涛の勢いで映画化や書籍化、グッズ展開の数々。

ここで行われていることは完全に100日後に死ぬワニという大掛かりなプロモーションでした。

 

なぜ炎上したのか

 

死という非常に繊細な題材を扱い、最後の最後で見せられたものは露骨なお金稼ぎ。
ワニ君の死は何だったんだ?

 

別にお金を稼ぐということを否定するつもりはありません。
むしろここまでのコンテンツを提供してくださった
きくちゆうきさんには正当な報酬が支払われるべきです。


しかし、ワニ君というキャラクターに感情移入し、100日という長い時間をかけて見つめてきた読者に対して、
この露骨なまでのプロモーションは言い方が悪いですが、非常に質の悪い感情ポルノを見せつけられたような気分になります。


ゆっくりと死という存在に向き合いながら、この作品を楽しんでいた人にとってワニ君の死は一種のカタルシス効果を生むはずでした。

 

ワニ君が死んだ瞬間は物語としての完結はしても個々人の感情の整理はそんな簡単にはつきはしないのです。

「ああ、ワニ君が死んだね。面白かった!」
そんなあっさりとした感情をもつのはきっと最初からこのコンテンツを追いかけていなかった人でしょう。


大抵の読者は少しずつ少しずつワニ君との死を向き合いながらこの漫画を読んできたのです。
だからこそ、死というものはゆっくりと味わうべきものなのです。

そこに突如として現れた商業プロモーションの数々。

これではまるで、真剣にこの漫画に向き合っていた人を馬鹿にしているようではありませんか?

ワニ君が死んで悲しいでしょ?
ほら、いきものがかりの曲とセットで感動できるMV用意したよ!
書籍化もされるから寂しくないよ!
映画化もあるからまだまだ楽しんで!

しているようではなく、馬鹿にしてますよ
少なくとも僕はそう感じました。

そういう意味でも今回の炎上は当然といえば当然の結末とも言えます。

 

まとめ

 

読者がこのコンテンツで求めていたものは100日後に死ぬワニという死を正しく受け止めて、余韻にひたるということだったはずです。


すぐさま、MV感動でポルノを押しつけがましくされたり、露骨なグッズのプロモーションが見たかったわけではありません。


死というものは向き合う余韻が必要だということをこの企画をした人間には思い直していただきたいです。
そういう意味でもこの100日後に死ぬワニは2度死んだといわざるを得ません。

もちろん、始めからこの100日後に死ぬワニという漫画が広告代理店のプロモーションから始まったということはまずあり得ないでしょう。


このコンテンツは死を扱うだけに非常にバランスの難しいものです。
まして、これほどまでにバズるという保証もなかったでしょう。


そんなものにこれほどの規模で計画的に動くほど、広告代理店は博打うちではないからです。
正真正銘、この作品はきくちゆうきさんの手で積み上げられた素晴らしいものです。
それは間違いありません。

そして、広告代理店なのかプロモーション会社なのかは定かではありませんが、その人たちも決して、金もうけだけで動いたということでもないはずです。

打算的な部分あったとしても、単純にこの100日後に死ぬワニという漫画の良さに惹かれたからこそ、より大きなコンテンツとして広まればいいと考えていたはずです。


それが今回に関しては裏目に出てしまったということでしょう。

皆さんは今回の件をどう感じられたでしょうか?

画像提供:きくちゆうき Twitter@yuukikikuchi
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