デザインと違和感と金麦と


突然ですが、僕はグラフィックデザイナーという職についています。

グラフィックデザイナーと聞くとゲームのCGなんかをイメージしてしまいますよね笑

大きな枠組みではそれも間違いではなく、
グラフィックデザイナーは

平面で表されるあらゆる表現のデザインを担います。

どういったことをするの?

例えば、
広告などのポスターから美術館のピクトグラム、会社のロゴにいたるまで幅広い領域のデザインをまるまるひっくるめてグラフィックデザインと称し、そこから細分化してフォントデザイナーやサインデザイナーなどと専門化していきます。
つまるとこ、デザイン業界のなんでも屋さんといった感じです。

平面を主な活動領域としていることもあり、基本的な媒体は紙に印刷されたものが主体になります。
なので、ある程度グラフィックデザインを仕事にしてきた人は嫌でも印刷に対する知識が身についています。

webとの比較

グラフィックデザインの比較対象としてWebデザインの名前があがることもあります。

グラフィックはwebとは違い、表現において良くも悪くも制限というものが少ないので、色の知識やフォントの知識、美的な部分での能力を求められる傾向にあります。

webデザインでは逆にユーザーがいかにストレスを感じないかなどの機能性を求められますが、
グラフィックの領域では必ずしも機能性だけを重視しません。

あえて、表現として違和感を覚えるようなことも工夫して使いこなさなくてはいけない時もあります。

web領域のデザインはユーザーに違和感を覚えさせてしまうと、格段にアクセス数など客足に影響を及ぼすことになってしまいます。


しかし、グラフィックの場合、性質が全く違います。
広告ポスターにしても商品パッケージにしても、ロゴマークにしても一種の鑑賞物の役割も果たしているため、機能性だけを重視してしまうと途端に誰の記憶にも残らないということが起きてしまうからです。


広告においては特にそれは致命的です。
誰の記憶にも残らないというのは認知をされないということです。

印象に残る違和感


例えば、
新発売のビールの広告ポスターがあるとして、それを機能性重視でビールを飲んでるシーンと分かりやすい文字だけで構成されたものがあったとします。

きっとそれだけでは、誰の記憶にも残らないでしょう。
人は違和感を感じなければ注視しません。
だからこそ、デザイナーは違和感を演出しなくてはならないのです。

サントリーの金麦がとても分かりやすい例があります。

みなさん今でこそ、金麦と聞いたらあの青い缶をイメージすると思います。
ですが、発売当初はビールの缶といえば銀色や黒が主流でした。
そこで、金麦はあえて違和感を感じる青をパッケージのベース色にしたのだと推察できます。
この違和感の青が金麦の成功でした。



当時の広告を見ても基本ベースとして青を使い、女優の檀れいを起用し、ただ美味しそうに飲んでいるビジュアルが今日にいたるまでシリーズとして続いています。
今ではすっかり違和感なく青い金麦が浸透しています。

こうして、青い違和感から青いビールと言えば金麦というブランドを育ててきたわけです。

タイトルでグラフィックデザインと仰々しく語ってしまいましたが、こういった違和感をつくりだしていくこともまたデザインにおいてはとても重要な要素なのだと思います。
機能性を重視しすぎると、デザインは途端に画一的になっていきます。それでは誰の記憶にも残りません。
自分の蒔いた「違和感」が花開いた時、デザイナーとしてこれ以上の喜びはないのではないでしょうか?

このエントリーをはてなブックマークに追加
ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村




最新情報をチェックしよう!