不便だからこそのフィルムカメラの魅力 ローライ35というカメラについて

不便だからこそのフィルムカメラの魅力 ローライ35というカメラについて
フィルムカメラの写真

ローライ35というカメラを皆さんはご存知でしょうか?

1960年代にドイツのカメラメーカー ローライから発売された機械式の超小型カメラです。
スティーブン・ショアというアメリカの有名な写真家もこのカメラを愛用しています。

発売から月日が経過した今尚、根強い人気があり僕自身このローライ35をよく使っています。

スティーブンショアの作品引用画像
© 2017 Stephen Shore, courtesy 303 Gallery

一番の特徴はその見た目です。

サイズは手のひらに乗ってしまうほど小さい。
まさにコンパクトカメラといっていいでしょう。

コンセプトもひたすらコンパクトにするということで設計されていたようで、当時のドイツの技術の結晶とも言えるカメラです。

機械式ということもあり、製造から半世紀近くがたった現在においてもほぼ故障なく動き続けている機体が多く世に出回っています。

また使われているレンズも、人気の高いカールツァイスというのも人気な理由の一つだと思います。

作例

ここで少し、僕が撮った写真をいくつか載せようと思います。

特徴

こんな華奢な見た目をしていながらその描写力は素晴らしいものがあります。
なんとなく青がいい感じに表現されている気がしますね。

しかし、このローライ35はかなり扱いが難しいカメラでもあります。

まずこのカメラは目測式と呼ばれるタイプのもので、写真を撮る前に被写体との距離を指定してあげなくてはいけません。その距離を咄嗟に判断するのがなかなか難しい。
しかも、ちゃんとそれが合っているかどうかは現像するまで分かりません。
そういう意味で少し難しいカメラと言えるでしょう。

でもこういう、コンパクトカメラは咄嗟の時ほど使いたいものですよね。
もちろん、ローライ35も手軽に撮る方法があります。


それはパンフォーカスで撮るということです。


パンフォーカスとはカメラに写る全てにピントの合った写真のことです。
想像しやすいのは写ルンですでしょうか。
あれも初めからパンフォーカスの設定で作られているので、誰でもミスなく写真が撮れるようになっています。

なので、なるべく絞りを大きくして、その分、感度の高いフィルムを使うことで比較的簡単に扱うことができるのです。

逆に言うと、ローライ35で奥がボケて、手前にピントが合うような写真を撮るのは難しいと言うことでもあります。

もし、そういった写真が撮りたい場合はローライ35はあまりお勧めできません。

ちょっとした小話

ちょっとした小話をしようと思います。

フィルムカメラは今ちょっとしたムーブメントを起こしています。

それは皆がスマホという品質のいいデジカメを所持し、Instagramといった写真投稿のSNSが普及してきたことに起因します。
デジカメはそれこそ、その人の写真の腕前を度外視して綺麗な写りをサポートしてくれます。
難しいシャッタースピードや絞りの設定も全てオートです。
そして必ずクリアに写してくれます。

またスマホやInstagramなどには写真加工の機能が備わっていて、簡単に素敵な写真へと仕上げることができるようになりました。

ですが、それによりある問題が浮上するようになります。

それはネットに上がる写真のどれもこれもが画一化していくと言うことです。

綺麗に撮れ、感光やブレもなく綺麗に出来上がる写真たち。
一つ一つはとても良い写りをしていても、それが羅列されると途端に同じものに見えてくる。
それこそが画一化です。

皆それを無意識に感じ取っていたのでしょう。
だからこそ、フィルムという前時代の媒体を通して写真を投稿する人が増えてきたとも言えます。

フィルムは一点ものです。その写りには色濃く個性が残ります。

皆と一緒でいたいけれど、どこか別物でもいたいという欲求を満たしてくれるのが、フィルムカメラの大きな魅力といえるのではないでしょうか。

フィルムカメラは本当に不便です。

撮った写真はすぐに確認できないし、撮影者の腕によって写真が大きく左右されます。

世の中はどんどん便利になっていきます。AIは進歩し、今では全く架空の人物すら創造してしまえるほどに技術も格段と進歩しています。そのうち、写真を証拠としては認められないなんて、時代すらくるのではないでしょうか。

僕はどこか不自由で息苦しさ感じます。

創造する力をどんどんと奪われているのではないかと怖くなるんです。
だからこそ、フィルムカメラのような良い意味でケレン味と呼べる不便なものが、今の世の中が必要としていることなのかも知れません。

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