デザイナーにとってアイデア出しは大事な仕事の一つです。 アイデア出しは文字通り、そのデザインの方向性を決めてしまいます。
アイデアが企画として落ちていなければ、そもそもが破綻してしまいます。
デザインにおけるアイデア出しはつまり、おおかたの場合はビジュアルイメージを作ることを意味します。
新人デザイナーによくふられる仕事に、デザインのヒントとなるような画像を探すことがあります。いわゆる資料集めです。
ここで、方向性にあった表現のヒントを集めて、実際の企画の中にそれを生かしていきます。
ですが、注意しなくてはいけません。
人によってはこの資料をもとにしたアイデア出しが根本的に間違っている人がいます。
つまり、資料をそのまま丸パクリしてしまうということです。
実はこれがとても多く、結果としてそれが世間表れる「パクリデザイン」の正体とも言えます。
そこで今回は資料からデザインアイデアを発想する正しいやり方を紹介しようと思います!
資料から発想を得るデザインのアイデア出し
unspulash https://unsplash.com/
まず前提としてパクリはNGです。
その上で、どうしたらパクリにならず資料からデザインのヒントを見つけ出せるのかを紹介しようと思います。
やりがちなアイデア出しの失敗例
まずはよくやりがちなアイデア出しの失敗例をお話しします。
引用 https://yuka-shiramoto.jimdo.com/works-2/
例えばこちらのデザインを参考に色々な味のキャンディーが詰まった缶のデザインをしたとします。
デザイン経験の浅い人が資料をそのまま参考にしてしまうと、おそらくこのようなデザインになってしまうと思います。
色の切り分け方もほぼ同じような感じで、資料のデザインをほぼそのまま柄として採用したような案です。
これは例えば色のトーンなどを元の資料からいかに遠ざけようと、参照元を見てしまえばすぐにパクリと疑われます。
つまり、これはかなりグレーなデザインです。
こんなの極端な例でしょ?と思われるかもしれませんが、資料の生かし方が分からないとこういったことが起こりうるのです。
資料の良いところを分析して、抽出しよう!
失敗例を見ていただいたところで、それでは続いて正しいアイデア出しを紹介します。 引き続き、先ほどの資料をベースに発想してみます。
まず大事なのは資料の良いところを分析していきましょう!
引用 https://yuka-shiramoto.jimdo.com/works-2/
こちらのデザインの良い部分はどこにあるでしょう? 大雑把に3つあげてみます。
- 面の切り分けがグラフィカルで綺麗な印象。
- 水彩のテクスチャが優しさを演出している。
- 淡い多色によって、ちょうどいいにぎやかさ。
続いて、この3つの良いところを抽出し、別のアウトプットで表現してみましょう。
例えば、キャンディーのパッケージデザインなのだからベースとなるデザインをキャンディーに見たててドットにしてみるなんていいかもしれません。
資料のような淡い色と多色はちょうどキャンディの詰め合わせの表現としてマッチしていると思います。 こうして考えたものがこちらです。
デザインの良し悪しはさて置いて、少なくともこれが元の資料のパクリとは誰も思わないと思います。
このように部分的に良いところを抽出し、デザインモチーフと組み合わせていくというのが資料をもとにしたアイデア出しということです。
資料の活かし方は分析と抽出
資料を活かすということを一言にするなら、「資料の良いところを分析して、活かせる部分のみを抽出する」です。
大事なことは分析です。 その資料のどこに良さがあるのかを洗い出す癖を身につけましょう。 その上で、企画に活かせる部分を抽出していくわけです。
今回の例であればキャンディというモチーフがあり、丸い形状からドットを発想し、資料の優しい印象を抽出したわけです。
これは結構簡単に言ってしまっていますが、考え方をしっかり持たないと最初の例のように資料をそのままパクってしまうなんてことになりかねません。
資料を活かすには日々発想の練習が必要となってきます。
こちらの記事でアイデア出しに活かせる発想方法をまとめているのでぜひ参考にしてみてください!
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まとめ
unspulash https://unsplash.com/
今回は資料を使ったデザイン出しの正しい発想方法について記事にしました。
大事なことは分析と抽出、そしてデザインモチーフの特性を洗い出し、組み合わせていくということです。
具体的にそれぞれのトピックを補足していきます。
分析
分析は資料を読み解くことです。例えば「優しい印象」のデザインを作りたいと大雑把に考えていたとしたら、ひたすら優しいトーンのデザイン資料をかき集めていきましょう。 その中で、対象となるデザインに活かせそうなものを選び出し、その資料の良い部分を分析していきます。
抽出
抽出はその良い部分を文字通り、デザインの要素に取り込むことです。ここで注意しなくてはいけないのはそのまま丸ごと抽出してしまってはパクリとなってしまう点です。 あくまで抽出するのは良い点の部分的なところまでです。
デザインモチーフの特性
対象となるデザインの特性もしっかり洗い出しましょう。例えば今回の例のキャンディであれば丸いとか多色とかですね。
そう言ったデザインに活かせそうな形状や色を分析していくのです。 それがベースとなり、そこに資料で見つけてきた良い部分を少しずつ取り入れていきます。
このフローを意識していけば、上手く資料を活かしたアイデア出しができるようになります! ぜひ参考にしてみてください!
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