挑発的なアートマガジン TOILETPAPER Magazine(トイレットペーパー・マガジン)


Toilet Paper Issue 10
TOILETPAPER Magazine(トイレットペーパー・マガジン)はイタリア人アーティストのマウリツィオ・カテランとフォトグラファーのピエルパオロ・フェラーリ、そしてアートディレクターのミコル・タルソが立ち上げたアート雑誌です。
形式としてZINEに近い立ち位置になるかと思います。
この雑誌はビジュアル至上主義を語る上では欠かせないものです。
今日はこのTOILETPAPER Magazine(トイレットペーパー・マガジン)についてお話しようかと思います。
TOILETPAPER Magazine(トイレットペーパー・マガジン)は文字が一切使われず、ただただ挑発的な写真ビジュアルが最後まで続くというかなり特殊な雑誌です。
その写真の全てがシニカルさだったり、性をモチーフにしていたりなど、制作意図が全く分からないものになっています。
つまり言ってしまえば無意味なビジュアルの集まりなのです。
そこにはなんの言葉もありません。
突き放すように、好きなら好き、嫌いなら嫌いで構わないよと読者に言い張っているのです。
そして、そんな強烈な描写が最後まで続いていくという構成となっています。
これらの写真を見ただけでもその強烈なビジュアルに心を惹かれます。
徹底して、彼らは刺激の強い挑発的なビジュアルを作り続けているのです。
現に、これらのビジュアルは一度見てしまえば忘れられないほどに強い力を持っています。
強烈なビジュアルは時に言葉やデザインといった設計された意図を容易く飛び越える力があります。
どれだけ納得いく言葉やデザインで構成されていようとも、意味が分からないけど、何だかかっこいい!というビジュアルの強さには到底及ばないのです。
僕はデザイナーなので、そう言った「意味のない強さ」という理不尽さに少し悔しい気持ちになりますが、それでも心を惹かれてなりません。
そういう意味でも。ビジュアル至上主義を語る上で欠かせないのがこのTOILETPAPER Magazine(トイレットペーパー・マガジン)ではないでしょうか。
まとめ
TOILETPAPER Magazine(トイレットペーパー・マガジン)は他人のために何かをするのではなく、自分たちの満足いくものを作りたいという意図の元作られています。
結果として、その意図の元出来上がったビジュアルたちはどうしようもなく見ている側の心を掴んで離しません。
それは徹底したビジュアル至上主義と妥協を許さない熱意あってこそ成り立つものです。
だからこそ、自分たちのために作り上げたものであったとしても、結果として他人の心に響くものが出来上がるのです。
本当にシンプルで単純なことではありますが、
それこそがまさしくアートの本質なのではないかと思います。
ぜひ、この強烈なビジュアルアートの世界に足を踏み入れてはいかがでしょうか?


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