デフォルメと聞くとどういう印象を抱くでしょうか。
辞書的な意味では「対象を変形させて表現する」とでてきます。
あまりピンとこない人はこのサイトの謎のマスコット猫見てみてください。

これは猫というモチーフを図形化で簡略化したイラストレーションです。
これがデフォルメです。
逆にデッサンのような見たままを描くようなものを写実と呼びます。
ではなぜデフォルメがデザインやイラスト制作で大切なのかについてお話しようと思います。
デフォルメし情報を整理する
絵が複雑化していくと、途端に情報過多を起こします。
そうなると本当に伝えたい内容が伝わらないということがおきてしまいます。
デザインにおいてそれは致命的ですよね?
それを解決するのがデフォルメとなります。
例えば企業のロゴマークなどがその最たる例と言えるでしょう。
わかりやすいシンボルやマークに文字などをデフォルメすることでより端的に情報伝達を行う助けとなります。
例えばこのブルーボトルコーヒーのロゴなどはとても分かりやすいデフォルメです。

文字通り青色のボトルを一色でデフォルメしたこのロゴマークはひと目でそれがブルーボトルコーヒーだとわからせてくれます。
このようにロゴマークのような情報をシンプルにさせることを目的としたデザインにおいて、デフォルメはとても重要なスキルだということがわかるかと思います。
表現力の幅が広がる
デフォルメを駆使することでその表現はとても自由なものへとなっていきます。
街で見かけるような広告は大抵、写真などで分かりやすくつくられています。
写真のメリットはなにより分かりやすいという部分が強みです。
なんせ、見たままですから。
しかし、それだけでは絵自体の表現の幅が非常に狭まってしまいます。
何より見たまますぎて退屈という印象を抱かれる可能性すらあります。
そこで、デフォルメの出番というわけです。
いくつかデフォルメの例をあげようと思います。

こちらはりんごをモチーフにしたグラフィックです。
デフォルメとはそれが伝われば、どのような表現も自由です。
例えばこのりんごも様々な形で表現をされていますが、赤色と枝の表現を統一させることでその全てがりんごと認識することができます。
このように一つ軸となるルールを定めることで自由にデフォルメができるのです。

こちらはタコをモチーフにしたグラフィックです。
こちらも明確に円と曲線、直線のみでつくられています。
写実に描かれているわけではなく、まして使われているものはただの図形です。
それでも、このグラフィックがタコと認識できる。
これこそデフォルメの見本と呼べるようなデザインでしょう。
そして最後にこちら。
これは僕が描いた猫と撫でる手です笑
線でのみ表現するというデフォルメを意識してつくってみました。
このように表現の幅を広げるという意味でもデフォルメはとても重要な要素となります。
イラストにおけるデフォルメ
先ほどの話に続きますが、イラストレーションにおいてもデフォルメが効いているだけで、イラストレーション自体に魅力が増していきます。
こちらの記事でもデフォルメの上手いイラストレーターを紹介させていただきましたが、
写実性の高いイラストレーションとはまた違い、
図形などを上手く駆使されたイラストレーションは絵そのものの面白さがとても発揮されます。
何より普段目にしない視点での表現だからこそ記憶に残りやすいのです。
まとめ
デザインやイラスト制作においてデフォルメを行うことで複雑化していく画面を整理したり、表現そのもの幅を広げていくことができます。
何より、普段目にしない視点から描かれることで人はそのビジュアルにとても強く印象づけられます。そこに面白さがあると思います。
- 引用元
- 1 https://bluebottlecoffee.jp
- 2 https://www.haconiwa-mag.com/design/2017/09/design_hints/
- 3 http://www.shinmura-d.co.jp/news/page/3/