意外と知らない?欧文(アルファベット)フォントの分類を紹介

欧文書体はまるで人の身体がそれぞれ違うように実に多様な姿をしています。

これは生まれた歴史背景や、そもそも元となった文字がどのような画材で書かれているかなどで、変わってくるからです。

 

文字は歴史と共に変容していきます。

例えば印刷技術が進歩したことにより、職人でなくても美しい文字組みが組めるように設計されたり、それこそ現在でならWEB上で見やすいフォントというものがたくさん開発されています。

 

 

他にも装飾性の強いものや、可読性に富んだもの。

例を挙げだすときりがありません。

欧文フォントはデザイナーにとっては必要不可欠なものです。

しかし、あまりに多様な姿の選択肢を見せられて混乱するデザイナーも珍しくないのではないでしょうか?文字もまたデザインの重要な一角を担います。

なんとなくでは決して選んではいけないものです。

今回はそんな欧文書体の簡単な特徴を分類して紹介していこうと思います。

 

 
 
 
 

セリフ書体はわかりやすく言えば、こちらの図のような文字の横線や縦線の終わりに飾りがついているものです。

まずはこのセリフ書体から分類を見ていきます。

 

 

ヒューマニストセリフ書体

 
 

ヒューマニストセリフの特徴は何よりもその手仕事感が残るプロポーションになります。

手書き感が強いため少しオールドな印象を与えてくれます。

カリグラフィーペンで書かれた文字を原型にしているので、傾きや線の抑揚なども特徴的です。

Adobe Jenson(アドビジェンソン)などの書体が該当します。

 

トランジショナルセリフ書体

 
 

ヒューマニストセリフほどではないですが、こちらもやや手仕事感のあるカリグラフィーをベースにした書体です。

線の抑揚のコントラストがヒューマニストセリフより高めで、先端のセリフが丸っこい形なのが特徴です。

より上品さを演出して見たいときに適した書体です。

Times New Roman(タイムズニューローマン)やCaslon(カスロン)といった書体が該当します。

 

ラショナルセリフ書体

 
 

ラショナルセリフ書体は抑揚をつける軸が垂直であったりなど、規則性を持ったセリフ書体です。

線の抑揚のコントラストが非常に大きく、かなり機械的な印象を与えます。

左右も対称的なものが多く、どこか高級感を感じさせます。

Bodoni(ボドニ)などの書体が該当します。

 

コンテンポラリーセリフ書体

 
 

コンテンポラリーセリフは文字を読む媒体がいくつも増えたことによって生まれた新しいスタイルの書体です。

実に様々なスタイルが存在しますが、特徴として背が高く、抑揚のコントラストが小さいことにあります。文字の開口部が広いのも大きな特徴の一つです。

かなり機能性を重視した作りとなっているのが特性です。

 

 

サンセリフ書体

 

サンセリフ書体はセリフ体とは逆に文字の横線や縦線の終わりに飾りがついていない書体を指します。

続いてはこのサンセリフ体の分類を見てみましょう。

 

グロテスクサンセリフ書体

 
 

トランジョナルセリフ書体やラショナルセリフ書体と似た構造をしたサンセリフ書体です。

形はかなり規則性が強いのが特徴です。

余談ですが、このグロテスクサンセリフは開発された当時は相当奇妙な形に思われており、「グロテスク」と呼ばれていたのがそのまま通称として定着したという歴史があります。

用途としては主に見出しなど勢いよく見せたい場面で使われます。

有名どころではAkzidenz Grotesk(アクチデンツ・グロテスク)が該当します。

Akzidenz Groteskはリデザイン前の東京メトロの欧文表記や、日産、テレビ朝日などで使われています。

 

ネオグロテスクサンセリフ書体

 
 

こちらはグロテスク書体によく似た書体ですが、より形の形状が均一化されているのが特徴です。線のコントラストもそれほどなく、グロテスク書体と同様に力強い見出しなどに使われます。

代表的な書体はHelvetica( ヘルベチカ)でしょう。

このHelveticaは世界で最も愛された書体と言っても過言ではないでしょう。

映画の題材となった書体は後にも先にもこのHelveticaくらいではないでしょうか?

 

ジオメトリックサンセリフ書体

 
 

ジオメトリックサンセリフはその形状が非常に無機質で抑揚が全くない書体です。

図形の組み合わせのような印象を受けます。

均整のとれた上質なグラフィックを意識させたいときに使われます。

該当する書体としてAvenir(アベニール)やDIN(ディン)などがあります。

二つともとても人気の書体で、あらゆる場面で見かける書体です。

Avenirは長年スターバックスコーヒーの欧文表記でも使われていました。

 

ヒューマニストサンセリフ書体

 
 

こちらは手書きの特性を残したサンセリフ書体です。

文字の開口部が広く、コントラストも適度についているので、他のサンセリフに比べて明るい表情をしています。

見やすさの中に親しみやすさを意識したいときに使うことが多い書体です。

該当書体はGill Sans(ギルサンズ)などが上げられます。

gの形が非常にユニークでメガネという愛称がついています。

 

グロテスクスラブセリフ書体

 
 

グロテスクスラブはグロテスクサンセリフと構造が非常に似ていますが、セリフの部分がスラブと呼ばれる特徴的な形をしています。

どの書体も非常に力強く線も均一で重厚な印象を与えてくれます。

代表的な書体ではClarendon(クラレンドン)

 

ジオメトリックスラブセリフ書体

 
 

文字通り、幾何図形をベースに構成されたスラブ書体です。

線の太さが全て均一で無機質な印象を抱かせる中で特徴的なスラブセリフがアクセントとして味わいを出しています。

堅苦しくないが読みやすさを求める時に使われる傾向にあります。

Rockwell(ロックウェル)などが該当します。

 

 

まとめ

 

今回は大まかに欧文書体を分類わけして解説してみました。

この他にも手書き文字を再現したスクリプト書体など色々な書体が存在します。

これだけたくさんの文字があります。

文字は当然、デザインの要です。

文字の形とその内容が一致していなければ、デザインは成立せず破綻してしまいます。

今回はあくまでちょっとした分類わけでしかありませんが、ほんの少しでもそれぞれの特徴を読み解くヒントになれば幸いです。

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