日産ロゴがリニューアル。フラットデザインと時代を反映するロゴのお話し

最近ホットな話題に日産のロゴがあります。
企業ロゴというものは基本的にはあまりその印象を変えることなくブランドイメージを体現するものです。
そんなさなか、日産のロゴが19年ぶりにリニューアルされることになりました。

https://global.nissanstories.com/ja-JP/releases/redesigned-nissan-logoより引用

 

今回はこの新ロゴについて話をしようかと思います。

 

 

 

 

やはり時代はフラットデザイン?

 

ここで一旦、前までのロゴを見てみましょう。

https://www.asahi.com/articles/ASN7H4FLGN7GULFA010.htmlより引用

 

 

見慣れたこのロゴはこれはこれで分かりやすいものではあります。
やはり、デザイントーン的には「古臭さ」は感じます。
ですがシルバーの立体表現はどことなく車を想起しますし、
象徴的で企業の顔としては強いインパクトがあると思います。
一方で、今回リニューアルされたものを見てみましょう。

 

 

既存のロゴと見比べて、かなり思い切ったリニューアルです。
既存のグラデーション表現を廃して、フラットに仕上がったデザインはディテールに拘った既存ロゴとはまた違った強さを宿しています。

 

このようなデザインのフラット化は主にWebの発展に大きく起因します。
Webは様々なデバイスで見ることになる媒体です。
人によってモニター状況が全く違う領域だからこそ、余計なストレスをなくし、デザインをより平滑にしていこうという流れが生まれました。
分かりやすく説明します。

 

例えば、グラデーション表現を駆使した旧日産ロゴのような細かなデザインがあるとしましょう。
大きなモニターで見る分にはとても見応えがあることでしょう。
しかし、誰しもが大きなモニターでそのデザインを見るわけではありません。

 

スマートフォンで見た際にデザイナーが意図していない見え方になってしまったりなどはざらにあります。
またそれを解決するために端末ごとに見えを調整していくという作業はとても手間がかかります。
こういった諸問題を解決するために広まったのがデザインのフラット化なのです。
シンプルな色面での構成でつくられたフラットなデザインはマルチデバイスの対応がスムーズに行えるからです。
もちろんこのフラットデザインもweb表現が発達しいけばいずれ「古い表現」になっていくかもしれません。
ですが、今はまだこのデザインのフラット化は最もスマートなデザインの手法として浸透しています。

 

このフラット化の流れを知ってから日産のリニューアルロゴを見直してみると、どうしてこのデザインになったかは理解できると思います。

 

 

 

 

時代の流れに伴いロゴも変わる

 

企業ロゴは基本的には大きな変化を行いません。
マイナーチェンジを繰り返し、微妙な調整を続けていくのが常です。
それはロゴそのものが企業の顔であり、シンボルであるからです。

 

いきなり整形した顔を見せては大抵の人は驚いてしまいますよね?
まして、元の顔がわからなくなるほど整形してしまうと、もはや別人にしか見えず、認知してもらえなくなってしまいます。
それは企業としては避けたい話です。

 

だからこそ基本的にはマイナーチェンジを繰り返し、徐々に徐々に時代に合わせて変化を続けていくのです。

 

https://www.777logos.com/blog/25-famous-brands-logos/より引用

 

こちらは有名なスターバックスのロゴですが、コレなんかはとても分かりやすく変化を続けています。
出発地点ではサードウェーブを感じさせるイラストと文字を組み合わせたデザインでした。
そこから少しずつ、象徴であるサイレン(人魚)にフォーカスがあてられていくのが分かります。

 

1992年あたりからはより細かさを廃して分かりやすさを求め、2011年にはよりシンプルかつフラットにリニューアルされています。
細部にこだわったイラストを軸にした1971年のロゴと今のロゴ。力強さは間違いなく今のロゴの方があります。
それは単色かつ極限まで主張を精査したことによるフラット化によるものです。
このフラット化は実に分かりやすく、そしてどのような媒体においても分かりやすさを与えてくれます。

 

少し話が脱線してしまいましたので日産に話を戻します。
今回の日産のリニューアルロゴはまさしくその時代に合わせた変化と言えます。
デザインをよりフラットにすることで、Webという新領域においても分かりやすさと強さを表現できるデザインを目指していることは間違いないでしょう。

 

その上で、どこか無骨で閉塞感のあった前回のロゴに比べ、抜けをつくり、「NISSAN」の文字の間隔を広げることでゆったりとした空間を親しみやすさをより高めています。
こういった細部からでも今後の日産がどのような会社でありたいかが伝わってくるのではないでしょうか?

 

 

 

最後に

 

今回は日産の新しいロゴについてお話しさせていただきました。
ロゴ、さらに言えばデザインは時代をうつす鏡です。
そして時代とは人の営みです。

 

営みをより深く紐解くと、他者との関係性です。
人の目は常に他者に向いています。
どう見られたいか、どう見ているのか。
これは人として生きていく上で決して逃れられないものです。
視覚から入る情報から僕たちは様々な想像を膨らませます。

 

デザインはその想像力をかきたて、視覚から入る情報に思いをのせます。
だからこそ細部をのぞけば、その思いを汲み取ることがきっとできるはずです。
今回のリニューアルが日産の新たな転換期として人々に浸透していくことを切に願います。

 

そんなわけで今回はリニューアルされた日産のロゴについてのお話しでした。

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